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#0001:藤平明子さん
マトリョミン・オーナーに直接お話をうかがう”マトリョミンのある暮らし”。
第1回目は藤平明子(とうへい・あきこ)さん。世田谷のご自宅にお邪魔しました。(取材日:2011年7月8日)
Mandarin Electron(以下”ME”):
マトリョミンをはじめたきっかけは?
藤平明子さん(以下”藤平”):
最初はテルミンに興味を持ったのですが、どこかマニアックで尻込みしていました。佐藤(沙恵)先生のマトリョミン教室を知って、マトリョミンのほうが敷居が低いというか、とっつき易そうだったので始めました。学生の頃アマチュアオーケストラでクラリネットを吹いていたのですが、歳をとっても一生弾ける楽器を探していたのです。
ME:
たしかにテルミンやマトリョミンは何かを叩いたり吹いたりするフィジカルな力はあまり要りませんからね。
藤平:
おばあちゃんの演奏家もいるし、体力的な制限もないように思いました。
ME:
実際にマトリョミンを始めてみて、いかがでしたか?
藤平:
テルミンも後で始めたのですが、深く音楽を追究しようとするとマトリョミンはテルミンより難しいですね。音量を変えられない分、いろいろな表現を右手に込めないといけませんから。
ME:
マトリョミンを弾きたくなる時って、どんな時でしょうか?
藤平:
職業はディスプレイ・デザイナーで自宅に事務所を構えているのですが、マトリョミンはパソコンのそばに置いていて、煮詰まったりした時にちょっとした逃避として弾いたりします。また、パソコンに3Dレンダリングをさせると処理に時間がかかるのですが、その待ち時間に弾いたりもします。
ME:
マトリョミン愛好者に女性が占める比率が高いですが、どうしてだと思われますか?
藤平:
マトリョミンって一体ずつ微妙に違いますよね。楽器としてでなく、この個体を愛するというか、愛でる関係性を持てるからでしょうか? 名前をつけたりお洋服を着せたりとか、そういう愛し方は普通の楽器ではできませんからね。マトリョミンオーナーの集まりなどあると、お互いのマトリョミンを見せ合いますが、それは楽器というよりも母が我が子を紹介するような感じですね。
ME:
人間の形をしていたり顔がついていたりするから人格のようなものをマトリョミンの中に見いだすのかもしれませんね。犬を飼っているとして、同じ犬種であっても別の犬に取り替えるなど考えられませんよね。マトリョミンにおいても個体に対する深い愛情を抱いているのでしょうか?
藤平:
マトリョミンはとてもアナログで、自分にしかわからないクセのようなものがあります。関わり合いが機械というよりも生き物に近い感じがします。
ME:
マトリョミンと同じようなキャラクター、関係性を持つものとか事って何でしょうね?
藤平:
犬ですかね。飼い主が集まると犬を介して知り合い、仲良くなれたりする点、お互いの犬を褒めあったりする点、でも我が子が一番かわいいと思ったりする点は、マトリョミンと共通していますね。マトリョミンが我が家にやってきたのは犬より後だったのですが、マトリョミンを膝の上に載せていると、何か生き物を可愛がっているように犬には見えたようで、マトリョミンを持つ手と膝の間に滑り込んできて、邪魔するんです。
ME:
嫉妬しているんですね。
藤平:
ええ。愛情を注いでいるように感じられるのでしょうね。
ME:
マトリョミンでなく電話機やカメラを持っていたらどうなんでしょうか?
藤平:
まったく無反応です。
ME:
テルミンでは?
藤平:
向かい側に座ってじっと見ているだけでした。マトリョミンに持ち替えるとアタックしてきます(笑)。
ME:
藤平さんお持ちのマトリョミンを見せていただけますか?
藤平:
これが最初の一体です。そしてもう一体はアンサンブルをする様になって、音色にこだわって買った一体です。
ME:
愛着があるのは?
藤平:
ライブやMable※での演奏で使う方ですね。
※マーブル(マトリョミンアンサンブル)
ME:
興味深いお話をありがとうございました。
Information
藤平明子さんはマトリョミンアンサンブル"Mable"のメンバーとして活躍されていますが、Mableの1stCDアルバム『曙光』のアートワーク全般、音楽配信アルバム『Resonance 1』のジャケットデザインを担当されました。
ディスプレイデザイナーとしてのお仕事:
店舗デザイン
http://www.plaza
style.com/plaza/teds_bakery/
topics.html
ディスプレイデザイン
http://www.treeoflif
e.co.jp/index.html
ブログ
「テルミン・パースペクティブ」
http://tha6
2.blog37.fc2.com/
「Un jour un chien 」
http://nicoakiko.blogspot.com
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