Matryomin ME02

 2000年の試作器開発をうけ、2003年に量産モデルとして発表されました。いまでこそ当たり前となっている実用音域で6オクターブ超の広い発音域が長い距離に収めてられている特性、音楽的で美しい音色、そしてマトリョーシカのフォルムを一切損なうことのない外観など、マトリョミンにおける基本的な仕様はME02に始まります。

 上半身の内側にアルミ箔を貼り付けることでアンテナとして機能させていましたので、演奏者の手とアンテナとの最短距離をマトリョーシカの厚さにまで縮めることができ、故に最高音は高く、とても広い発音域を有しています。

 二つのチューニングつまみ操作を組み合わせてチューニング合わせをするのが特徴で、”粗”側のチューニング可変幅は非常に広く、およそ想定されるほとんどの条件下においてチューニングを合わせることができます。

 派生モデルとして、チューニング変化幅に制限をもたせたME02K、ME03の電子回路基板を内蔵したME02KBがあります。

 ちなみにME02型マトリョミンのオーナー第一号は黒柳徹子さん。「世界ふしぎ発見」(TBS系列)でレフ・テルミンさんが紹介された回があり、もっとも成績の良い回答者に授けられる”トップ賞”をマトリョミンに設定しました。当時開発の最終段階にあったのですが、番組収録に合わせ急ピッチで仕上げました。収録を終えてみればいつものように最優秀回答者は黒柳徹子さんで、かくして記念すべきマトリョミン第一号機は黒柳さんのもとに贈られました。


サポート情報(FAQ)/ ME02

Q.チューニング合わせのコツを教えてください。

A.以下の手順で操作してください。
  1:微調整チューニングつまみ(下段)を時計方向に回しきります。
  2:粗調整チューニングつまみ(上段)を操作し、つまみを持った状態でゼロポイントが現れるようにします。
  3:微調整つまみを反時計方向に回し、楽器から40cm程度のところでゼロポイントが現れるように操作します。
※”3”の操作において、どれくらい反時計方向に回せばよいか、チューニングがあった状態になった時に聞こえるピッチを覚えておくと、チューニングを素早く合わせられる手がかりとなります。

Q.外付けアンプに繋ぎたいのですが、どんなケーブルを使えばよいでしょうか?

A.アンプ側の入力が”標準プラグ”を求められる場合、終端が”ピンプラグ(RCA)”と”標準プラグ”であるケーブルをお求めください。キーボードやギターの接続によく用いられる両終端が”標準プラグ”のケーブルに”ピンプラグ”への変換プラグを接続するのは、マトリョミンの出力端子に負荷がかかり故障の原因となりますので、おすすめできません。Roland社製ケーブル”PJ-1M”のご使用を推奨します。

Q.どんな電池が適していますか?

A.アルカリ単三乾電池をご使用ください。充電池は電圧が低く、高性能電池は電圧が高いことから使用しないでください。また、100円ショップなどで売られているアルカリ電池も、電圧は充分なのですがノイズを発生させることがあり、おすすめできません。

Q.演奏中にノイズが乗ることがあります。

A.ME02型マトリョミンは他のマトリョミンにくらべ発振周波数が低く、環境によってはノイズを拾いやすい傾向があります。経験的に、テレビスタジオでの収録においてかなり高い確率でNGでした。サウンドチェック時は問題なくても本番の状況と同じ複数のカメラが動くカメラリハや、公開収録の場合本番収録時のみノイズが乗ることもありました。念のためME03, 04等のマトリョミンをバックアップ器として持参されることを強くお勧めします。800MHzで動作するワイヤレスマイクとは干渉しません。

Q.保管、お手入れについて教えてください。

A.長期間演奏しない場合は電池を取り外しておいてください。電池の液漏れと、電池ボックスの変形を防げます。外観のお手入れですが、家具用のクリーナーなどで拭いてください。弊社では以下のクリーナーを用いています。
”ピアノ家具木製品手入れ剤(soft99)”