マトリョミン演奏をリハビリや認知症予防に活用する取り組み


!@カフェアポロン11/13(月)は主催者都合により、10/23(月)、12/11(月)に振替ます。

 マトリョミン演奏を脳卒中後遺症のリハビリや認知症予防に活用しようとするもの。音楽の力で脳を楽しく活性化するしようとする試み。2023年9月から12月のあいだ、浜松市内数か所で実施します。

 手を楽器に触れずに奏でるマトリョミンには、鍵盤やフレットといった音の高さの基準がありません。演奏が難しく、だからこそ弾けば精神集中し、知恵熱が出そうなぐらい一生懸命になります。表情が自然と険しくなり「テルミン顔」になっていると揶揄されたものです。今回の演奏体験ではこの特性を活かします。

 

 音の高さの感覚はとびきり鋭敏で、マトリョミン演奏では感覚と動作が直結しています。僅かに手の位置が違うだけで「天使の歌声」にも「お化けが登場するときの音」にもなります。本気で弾かないとリハビリや認知症予防の効果も期待できない。「本気スイッチ」を入れるのは、求める音が奏でられた際の快感や興奮。このパッションが無いと、眠れる脳を揺り起こすことに繋がらないのかもしれません。

 

 講師役のトレーナーが優しく丁寧に手をとってメロディーを一緒に奏でるので、難しさへの心配はありません。手をトレーナーに委ね、気負うことなく、まずは演奏を楽しんでください。演奏の勘所が掴めてきたら徐々に依存度を下げて、自律演奏に近づけていけば良い。楽しく演奏することも認知症予防に繋がると言われ、現在効果を検証中です。

 ふりかえれば私自身、コンサート出演中に脳出血を発症したのが2016年。一命は取り留めたものの、右半身に麻痺が残りました。思い切って左右の手の役割を入れ替え、「左利き」テルミン奏者として再起を図ったのが2022年。利き手の役割を入れ替える事以上に、麻痺した手で音量制御するのは難しく、ノイローゼ寸前まで追い込まれました。左手でのピッチ制御にまで影響が及びました。


 かつて右手で弾いていた頃の記憶があるだけに、自分で奏でている音に我慢ならなかったのです。「天使の歌声」が記憶に残っている。それが再び聞きたくて、何度でもトライする。無我夢中の取り組みを通じて、気がつけば麻痺した腕もだいぶ制御できるようになっていました。この経験があったからこそ、マトリョミン演奏は脳卒中後遺症のリハビリに有効との考えに至り、さらに発展させ、認知症予防に活用することに繋げられたのだと思います。

 

 テルミン演奏に30年間取り組んできた先で、テルミンに本質的に備わっていた魅力と可能性を再認識しました。
 天才テルミン博士からのギフトを理解するのに、凡人の私は100年かかりました。

 

 令和5年度浜松市創造都市推進事業補助金採択事業

 

 

竹内正実


イベントチラシ