品質


 テルミンと称する装置を製造販売する工房、メーカーはいくつもありますが、そのほとんどはテルミンを「楽器未満」と、自ら認識しています。我々は代表の竹内正実の他、スタッフもテルミン奏者であり、テルミンという楽器に心酔しています。そんな我々がつくるのですから、合理化や単純化とは無縁です。

 

 考えてみればテルミンのような楽器はエンジニアだけで創れるものではありません。テルミンの発音原理そのものはとてもシンプルですが、それを楽器の水準にまで昇華させるのはまったく別の技術やノウハウが要ります。

 

 豊富な演奏経験や演奏教授経験のノウハウ、そして卓越の技術。このトリニティを有するのは世界広といえど、我々だけです。

 テルミンで美しい音色を、豊かな音楽を奏でたい。そんな貴方のためにあるのが、我々の創るマトリョミンです。

 マトリョミンはマトリョーシカをボディに使っていたりして、どこかゆるく、ウケ狙いと捉えられているかもしれませんが、我々は大まじめです。
 音色、発音特性において、ワン・アンテナ・テルミン(ピッチだけを変えるテルミン)にライバルはいません。もし貴方がすぐれたテルミン奏者、ミュージシャンであるならば、マトリョミンを手にとって発音させれば、そのポテンシャルの高さがすぐにお分かりいただけるはずです。

 

 「家にあるテルミンよりマトリョミンの方が音が良い」というお声を耳にすることがあります。マトリョミンは電子楽器ですから最終的な音の出口はスピーカーですが、菩提樹の木の削りだしのマトリョーシカを共振させることで音を創っています。それはギターやバイオリン等、アコースティック楽器の音作りとまったく同じプロセス。弊社の創る楽器の電子楽器っぽくない理由のひとつがレゾナンス(共振)です。

2014.5 竹内正実